先日5/9 祖父永眠
先日、祖父が93歳の誕生日を迎え、安らかに息を引き取った。
俺にとって祖父母は母方しかいない。
父方は産まれたときには既にいなかった。
父も母も末っ子であることから、俺と弟は孫の中でも一番下っ端でそして可愛がられた。
就職した頃には既に、旅行に行くことは厳しく、顔を出して話をすることくらいが唯一の孝行だった。
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会社に行っても仕事も手につかない。
先日母を含めて伯母達は病院に泊まったらしい。
血圧も下がり酸素濃度も下がり、酸素マスクにて酸素濃度を上げ、呼吸をつなげていた。
午後から会社を休み病院へ向かう。
約2時間弱。もってくれ。と思い急いでかけつける。
15時頃まだ意識はあるものの体を動かすことも出来なくガリガリの腕を擦り手を握る。
「お誕生日おめでとう!93歳だよ!」
腕の力はしっかりしている。声には出ないものの反応はある。
だが徐々に呼吸も衰退していくように思えた。
先生曰く、戦前、戦時中と乗り越えてきた人は最後の最後でこういった生命力が発揮されるらしい。
2ヶ月もろくに何も食べていないのに。現代の若者はまず無理だ。
本当に頑張った。
誕生日まではもたないといわれていた病室には、看護婦から贈られた花束が飾られていた。
いとこがたどり着いた頃には意識も薄れて声にも反応できなくなってきた
16時30を過ぎた頃、徐々に呼吸の間隔も長くなり、あるときすっーっと呼吸が止まる。
心の準備は出来ていたものの、いきなり目の前にした”死”と言うものだった。
ちょうど、93歳の誕生日を迎え、静かに息を引き取った。
胃癌での苦しみではなく、本当に安らかな老衰であった。
今にも声をかけると返事をしそうな寝顔だった。
誕生日おめでとう。そして良く頑張ったね。
今まで色々ありがとうございました。
手をとり最期まで看取れた俺は本当に幸せでした。
悲しくないと言ったら嘘になるけど、もう皆心の準備はできていた。
死に際に耳元でささやく祖母の一言に心がぐっと苦しめられた。
「今まで本当にありがとうございました。」
想像に絶する一言だ。
ここにいる誰もわからない、何十年もの連れ添った2人の間だけの重みのある言葉だ。
何十年もの連れ添った相手が今現実の世界から旅立とうとしている。
祖母にとってはかけがえの無い人だ。
そして、娘(母達)達からしてみれば、かけがえの無い父親だ。
大切な人がいなくなる辛さ。
いっぱいいっぱい感じて。
だから生きることってすばらしい。
沢山沢山学ばせてもらいました。
そしてなんだか強くなれた気がします。
これから立派なじいちゃんに恥じぬよう頑張ります!
“じいちゃん誕生日おめでとう!そしてさようなら!”
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